島建て石

小湊集落(シマ)にまつわる話しとして、前山(ムーヤマ)の標高198m程の山頂に、小二つの石が上下にある。

この二つの石は、昔、沖縄の伊平屋島の沖縄王系統の王の兄(イイマランコラ)と美しい妹(いろいろと結婚等の問題が起き、沖縄に住みにくくなり)は、沢山の荷物を舟に積み込んで、小湊のイスビラ海岸に流れ着いた。

何もないので、目の前の山(前山)に、兄が大きな石を、妹が小さな石を担いで登った。
山の頂上でその石に立って、二人は集落の真ん中を指さして「あそこに家を建てよう。」と言って山を下りて来ました。

そして、そこで暮らす事になったそうです。
それ以来、子孫が増え、小湊のシマが始まったと言われ、その石が「島建石」と伝えられ、また、その住まいを「按司屋敷」と呼び、その前の広場を「マーの広場」と呼ばれています。

※ 自然石、大きな木等をご神体として崇拝するのが原始信仰の一つと言われている。

※ 上にある大きな石をィヒリガナシ石(男神石)、下にある小さな石をヲナリガナシ石(女神石)と言う。
男神石7~800kg、女石神3~400kgと言われている

※ シマでは、「旧9月9日にはシュギダンゴを作り、お酒、料理を持って、願立てに山へ登って、島建石に供えて参祥していた。」と言う。
現在そのような行事はなく、島建石の存在を知らない人が多い。

※ ィヒリガナシ石等のガナシは尊称の意味で普通、ィヒリ神とか、ヲナリ神と言う。